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旅のコラム

田中駅長の「旅の考現学」
文:田中 嘉文


連載第6回「航空券の特異性」



今回は「航空券の種類」に触れる予定でしたが、その前に、国際航空券が持っている非常に複雑で特異な性質について考えてみたいと思います。それはJRのチケットを比べてみると分かり易いかもしれません。

JRの乗車券は列車を運航しているJRが総発売元であり、全国の「みどりの窓口」や大手旅行代理店で購入することができます。全国何処で購入しても料金は変わりませんね。

JRでは乗車券と指定席券に分かれています。自由席でいい人は乗車券を買うことで目的地まで行く権利を得ています。その上に席を確保したい人はどの列車番号、号車番号、席の番号、そして料金がキチンと表示された指定席券を追加料金を払って手に入れます。但し、その号車と席の番号はコンピューターで指定されますから、好みの席を申し入れることは出来ませんね。

国際航空券はどうなっているでしょう? 世界中で通用するよう形式は統一され、すべて英語で表示されていますから一般の人にはなかなか分かり難いものです。しかし、自分の名前(搭乗者名)、航空会社名、搭乗日、便名、発着空港名、出発時間くらいは何とか読み取れます。

ところが運賃(航空券代)は何処にも数字で表示されていません。暗号のようなアルファベットで、この搭乗者はいかなる条件でこの便に乗る権利を有しているかがが表示されています。そして、(特に格安航空券の場合は)空港でチェックインするまで座席の番号は分かりませんね。エコノミークラスで座席指定が出来る一部の運賃の場合でも、航空券には席番は絶対に記載されません。

つまり、国際航空券というのはどの航空会社の便で何処まで行くための代金が支払済みであるという証明書に過ぎないのです。

ですから、よくある話ですが、いくら正確に予約をし、請求された金額を支払って航空券を手にしていても、イザ予定の便がオーバーブックしてしまうと、その分の搭乗予定客は弾き出されてしまうのです。いくら何月何日の何便と明示されていても絶対的保証は何処にもありません。誰を犠牲者にするかは航空会社の一方的判断であり、明解でフェアーな基準は何もありません。乗客がいくら騒いでも、航空会社の係員は口頭でいくら謝罪しても、ないものはないで終わりです。

新幹線ではたまにダブル・ブッキングが発生することはあるようですが、オーバーブックなんて話は聞いたことありませんよね。最初から自由席と指定席に分けてあり、自由席券しか持たない人は席がなければ立っていくことが相互理解されています。指定席券は一つの席に一枚の切符しか発せず、そこに席番を明確に表示していますから問題が起きる可能性は非常に低いわけでです。

なぜ航空旅客輸送の場合はJRのような管理や販売ができないのでしょうか。しかも、航空券を持っていても100%その便に乗れるという保証はなく、更に、自分と全く同じサービスを受けながら、隣りに座っている人は自分より安くチケットを手入れている。周囲の10人を比べれば、全員チケット代金が違っている。そのような理不尽なことが何故当たり前になっているのでしょうか

航空券の種類という本題に入る前に今回のスペースがなくなってしまいました。なるべく早く次の原稿を書き上げるよう頑張ります。しばらくお待ちください。





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