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文:吉田公平 第十五回 「何故という問い−大学一」
幼児が言葉をおぼえはじめると、「なぜ・どうしてなの」と連発して、親を困らせるということがる。 智慧がつく年頃のことである。 知恵が付くと言うことは疑問を抱くと言うことである。 このうぶな心を失うと疑うことを怠れてしまう。 人は誰もが森羅万象について疑問を抱いたのに、賢しらな智慧が付いて、取り敢えずの疑問が解けてしまうと、安心してしまい、目先の利益に魅惑されて、問うことを忘れてしまうもののようである。 この「なぜ・どうしてなの」ということを、意識的におこなうのが学問であり、それをかつては大学と言った。 だから、「なぜ・どうして」を連発していた幼児は、実は自覚せざる大学生であったのだ。
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